おせちでまず思い浮かぶのは、「料理」ではないでしょうか。黒豆、数の子、田作りなど、おせちに入っている食材にはそれぞれ深い意味があり、新年を祝うのに欠かせないものとなっています。
一方で、おせち料理の影の主役となっているのが「あしらい」です。ここでは、あしらいとはそもそもどういうものなのか、あしらいの使い方や準備方法などについてご紹介していきます。

料理を彩る「あしらい」とは?

出典:Shutterstock

「あしらい」という言葉を聞いたことがありますか?あしらいとは、料理を彩り引き立たせる役目を持つ添え物です。華やかなお祝いの料理には欠かせない名脇役で、高級和食店などではお料理にあしらいが添えられています。煮物などの茶色い料理には鮮やかな緑の松の葉をのせ、焼き魚には笹を敷く、といった形が一般的です。

あしらいの一種:「天盛り」とは?

あしらいの一種である「天盛り」。これは、料理の”上”に置くあしらいのことです。天盛りには食べられる食材も多く、たとえば吸い物の上に乗せる柚子もあしらいの一つになります。
見た目の美しさだけでなく香りも引き立ててくれるので、料理の重要な素材となります。例えば、真っ赤な南天の実はツヤツヤと美しく反射するので、料理がより新鮮でおいしそうに見える、という効果もあります。
天盛りには他にも、刻んだショウガや山椒、ネギや唐辛子などさまざまな食材があります。

あしらいの一種:「かいしき」とは?

あしらいのもう一つの種類である「かいしき」。かいしきは天盛りとは異なり、料理の”下”や”横”に置く飾り物のことです。植物の葉など自然のものは青かいしき、和紙などは紙かいしきといい、料理やシーンによって使い分けられます。
自然の葉は主に緑が美しいものが選ばれることが多く、料理を引き立ててくれます。有名なところでは柿の葉や桑の葉が人気です。春は桜の花や葉、夏は青柚子、秋は紅葉、冬はさざんかなどがあります。
料理の中に小さな四季を添えることで、より一層和の心をたのしむことができます。

おせちを引き立たせる”あしらい”の使い方と意味

おせち料理は、大切なお祝いの料理です。あしらいを使って一つひとつの食材を美しく飾りつけましょう。
実はおせちでよく使われるあしらいには、それぞれに素敵な意味があります。

茎を飾ったり赤い実をアクセントとして使ったりする南天には、「難を転じて福となす」という意味があります。裏白という鏡餅にも使われる緑の葉は、名前の通り葉の裏側が白く潔白の心を表すものです。
松の葉も縁起が良く、常緑植物なので常に生命力に溢れている木ということで重宝されています。松の葉は細く束になっているため、食材に刺したり横に添えたりと使い勝手も良いのが特徴です。
細く柔らかい葉を持つヒバは香りもよく、春を感じさせる柔らかい黄緑色が重箱によく映えます。

おせちはさまざまな食材をお重に詰めるので、料理の見た目とあしらいのバランスがとても重要です。あしらいを入れすぎてゴチャゴチャと窮屈に見えないよう、少し高いところから全体を見ながら加えていきましょう。

手に入りにくいあしらいの準備はどうすればいい?

本来あしらいは、自宅の庭でとれた植物を利用していましたが、最近は庭がない家やマンションに住んでいる方も多く、あしらいが手に入りにくくなりました。
しかし、今ではネット通販でもあしらいを購入することができるようになっています。日本全国の美しい葉や花のあしらいが気軽に使えるので、ぜひ調べてみてください。価格は葉の発色の美しさや傷、珍しさなどによります。おせちの時期になると人気の葉が売り切れになることもありますので、使いたいあしらいがある場合は早めに準備しておきましょう。

普段何気なく目にしている料理の添え物、「あしらい」。自然と共に暮らしてきた日本人の美しい心を、これからも大切にしていきたいですね。

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