
おせちの「二の重」につめるものと焼き物の意味
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お正月に食べられているお祝い料理「おせち」。その歴史や込められた意味をご存知ですか?今回は二の重につめるものや焼き物の意味についてご紹介します。
新年の初めに、必ずと言っていいほど食べられているおせち。いざ自分で作ってみようと思っても、おせちにはどんな物が入っているのか、何重なのかなど、知らないことは意外と多いもの。
ここでは、おせちの歴史や重箱の意味、詰めるものや詰め方など、おせち料理に関するさまざまな情報をご紹介していきます。
おせちの歴史
正月料理として定番のおせちですが、漢字で書くと「御節」と書きます。本来は節句の時期の料理という意味なのですが、現在では年初めの節句であるお正月の料理という意味で使わるようになりました。
平安時代、元旦や五節句といった行事に催されていた「節会(せちえ)」で、神様にお供えしたりご馳走を食べたりしていました。この料理を「御節供(おせくち)」と言い、それが略されて「おせち」と呼ばれるようになったといわれています。
重箱に込められた”意味”
おせちは、「重箱につめることで、幸せが積み重なっていくように」という願いを込め、重箱に料理を詰めます。
上から「一の重」「二の重」「三の重」と数え、「四」は縁起が悪いとされているために、四段目は「与の重」と呼びます。今では四段重が主流となっていますが、二段や三段のおせちもあります。
お重に詰める料理にはそれぞれ意味があり、大きく分けて「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」の5種類に分けられます。
また、おせちの種類は地域によって品数が違いますが、一般的に20~40種類あるとされ、それぞれにおめでたい意味が込められています。なかでもメインとなるのが、「祝い肴三種」。黒豆、数の子、田作り(関西では叩き牛蒡)の3種類は外せないおせち料理です。
「二の重」にはどんな料理をつめればいい?
昔は五段重が一般的でしたが、現在は四段重が主流になりつつあります。ただ、地方や家庭によっても何段のお重にするか、どのような料理をつめるかは異なります。
ここでは「四段重」「三段重」「二段重」の場合の二の重につめる料理をご紹介します。
・四段重の場合…焼き物(鯛や海老など)
・三段重の場合…酢の物(紅白なますなど)や焼き物(鯛や海老など)
・二段重の場合…焼き物(鯛や海老など)や末永い幸せを願った煮物(山の幸を使った煮物、筑前煮など)
「二の重」につめる焼き物には何か意味があるの?
基本的に焼き物は、縁起の良い海の幸を中心に詰めていきます。代表的な焼き物には、次のようなものがあります。
・鰤(ぶり)
大きさによって名前が変わる出世魚なので、「出世を願う」という意味があります。
・海老(えび)
腰が曲がるまで丈夫でいられますように、と「長寿を願う」意味があります。
・鯛(たい)
「めでたい」という言葉からも、祝賀行事に欠かせない定番の縁起物です。
基本的なお重の詰め方4つ
せっかくおせちを作るのなら、綺麗で豪華に見えるように詰めたいですよね。ここでは基本的なお重の詰め方をご紹介します。
・「段詰め」
仕切りを使って3段程度に分け、縦横のラインを並行にして料理を詰めていく詰め方です。しっかりと仕切りをしておくことで味移りを防ぐことができ、見た目が整った綺麗な盛り付けにすることができます。
・「枡形詰め」
斜めに3段程度に区切り、料理を詰めていく方法です。変化をつけながらも美しい見た目にすることができ、華やかさを演出できます。
・「市松詰め」
9つに区切って詰めていく方法です。隣同士の料理の味が移らないように仕切り、色のバランスを見ながら詰めていくと華やかに仕上がります。
・「放射盛り」
中央から外側に4または6の料理をつめる詰め方です。中央に一番華やかな料理を詰めることでバランスがとれ、ボリューム感と華やかさを兼ねた素敵なお重に仕上がります。
おせちの歴史や重箱、詰める物の意味などを知っていれば、自宅でおせち料理を作る際に役立ちます。どんな意味を込めて新年をお祝いしたいのかも明確になりますよね。ぜひ次回のおせち作りの際に参考にしてみてください。
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