
なぜお団子をお供えするの?十五夜の由来と伝説
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十五夜にススキやお団子をお供えするのは一体なぜでしょうか?その由来とは?今回は、十五夜にまつわる意味やうさぎに関する伝説などをご紹介します。
皆さんは、子どもに十五夜ってなに?と聞かれてすぐに答えられる自信はありますか?お団子やうさぎといったイメージがあると思いますが、何の日かは実はあまり知られていません。
元となった話を知ることで、十五夜に対する考えも変わってきます。知っておけばいつ聞かれても大丈夫なので、準備しておきましょう。
お団子を食べるだけじゃない!十五夜は豊作を祈る日
十五夜とは、旧暦の8月15日のことで中秋の名月と呼ばれています。秋の真ん中に出る満月という意味で、もともとは貴族が満月を見ながら宴を楽しんでいたことが始まりです。
昔は満月自体を十五夜と呼んでいました。月は満ち欠けを繰り返しますが、新月から満月までに約15日かかることから、そう呼ばれるようになったそうです。旧暦の8月15日は毎年日にちが変わるので、いつも同じ日というわけではありません。
宴に関しては、庶民とは縁のないものでした。現代のように、お団子やススキを飾るといったこともなく、江戸時代になってから秋の豊作を祈って広く行われるようになりました。
なぜススキを飾る?その由来は?
十五夜の飾りの一つにススキがあります。なぜススキを飾るのでしょうか。十五夜は秋の収穫の豊作を祈りますが、その中にお米もあります。
稲には、「依り代」(神霊が意志を伝えるため現れるときに依りつくもの)の意味がありますが、十五夜の時期には稲を用意することができません。そこで、代わりに同じ稲科のススキを飾るようになりました。
また、ススキには魔よけの効果があるといわれていて、十五夜に飾ったススキを軒下につるしておくと、1年間病気から守ってくれるとされていました。
お団子は収穫への感謝を表します
十五夜といえば、お団子のイメージが強いと思います。秋に収穫されていた里芋をお供えしていた時代もあったようですが、時代とともにお団子をお供えするようになりました。
団子を供えることで、収穫への感謝と健康、幸福を表しています。お供え後に食べると、そのご利益があると考えられています。
お団子といえば、丸くて白いものが一般的ですが、地域によって形はさまざまです。また、山の形のようにお供えするのにも意味があります。先端から霊界に通じ月に感謝の気持ちを伝えるためです。
お供えする数も地域によって異なり、下記のようにさまざまです。
・十五夜に合わせて15個
・満月の回数分で12個(うるう年は13個)
・15の10を省略して5個
実は悲しいうさぎの話
「月でうさぎが餅をついている」という話をよく聞きますよね。どこが耳?どこが腕?なんて月を見ながら考えたこともあるのではないでしょうか?
実は、うさぎが月にいるという話は、インドのジャカータ神話がもとになっているといわれています。
昔、天竺に暮らしているさる、きつね、うさぎがいました。
3匹はいつも、自分たちが獣の姿をしているのは前世で悪いことをしたからだと話し合っていました。可愛そうに思ったお釈迦様は、お腹を空かせた老人に化け、3匹がどのような善行を行うのかを試してみようとしました。
老人を見つけた3匹は、人の役に立つことができると喜び、食べるものを探しに行きましたが、うさぎだけは何も持ってくることができませんでした。いつまでたっても食べるものを持って来られなかったうさぎは、自ら火の中に飛び込み、自分の身を老人に捧げました。
お釈迦様は元の姿に戻り、3匹が今度生まれ変わるときは人間にするという約束をし、かわいそうなことをしたうさぎの姿は月に残しました。
月にうさぎがいるというのは、このような話がもとになっているといわれています。
うさぎと餅つきが組み合わさった理由とは?
ではなぜ、うさぎが餅つきをしているといわれるようになったのでしょうか?
もともと中国では、うさぎが月で不老不死の薬を作っていると言われていました。これが日本に伝わり、満月を表す「望月(もちづき)」から「餅つき」へと変わっていったのです。
十五夜は秋の収穫を祈りますが、お米が出来たことに対する感謝の意味もあったのでしょう。
十五夜にはススキを飾り、お餅を食べるということは有名ですが、そもそも何をする日なのかということ自体、あまり知られていません。
次の十五夜は、秋の収穫を祈り、ご飯を食べられることに感謝しながら迎えてみてくださいね。
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