季節の変わり目として意識されるお彼岸の由来について説明できるでしょうか。なぜその時期にお墓参りをするのかについても、合わせて理解しておきましょう。

お彼岸とは?

お彼岸は雑節のひとつで、春分の日や秋分の日を中日とした前後それぞれ3日を合わせた7日間のことを指します。春の彼岸と秋の彼岸の2つがあり、合計14日間の間に彼岸会と呼ばれる仏事を行うのが習わしとなっています。
彼岸の初日を彼岸の入り、最終日を彼岸明けとし、一般的には、中日に先祖に感謝し、残る6日に「六波羅蜜」を一つずつ修めて悟りの境地に達するための修行日にあてることとされています。

お彼岸の風習は、インドなど他の仏教国にはない日本独自の行事として古くから育まれてきたものです。宗教に対して寛容な日本人は、古くから、神道にちなんだ行事である正月を祝ってきました。その一方で、釈迦の教えである仏教の文化も受け入れてきたのです。
お彼岸は「日願」でもあり、太陽の神を信仰する神道と結びつけることができたため、その風習や文化が定着したとの考え方もあります。

お彼岸の時期は?

お彼岸には春彼岸と秋彼岸の2つの時期があります。春分の日と秋分の日を中日としてその前後を3日合わせた期間を彼岸と言いますが、春の彼岸を彼岸や春彼岸と呼ぶ一方、秋の彼岸をのちの彼岸や秋彼岸と呼んで区別することもあります。
春分と秋分は二十四節気に数えられるもので、暦の上では春や秋の折り返し地点として意識されるものです。昼と夜の長さがほぼ同じになる日でもあり、春分の日以降は、徐々に昼が長く、秋分の日以降は、徐々に夜が長くなることでも知られています。

お彼岸の中日に当たる春分の日と秋分の日は、国民の祝日として制定されているのにもかかわらず、毎年日付が確定されているものではありません。地球の公転と春分点、秋分点と呼ばれる天体観測によって国立天文台が発表するものであって、毎年多少のずれが生じることから、うるう年と同じような原理が影響して修正するため、日にちが変わることがあるのです。

お彼岸の意味と由来は?

お彼岸は、浄土思想として信じられている極楽浄土の考え方が由来しているといわれています。
仏教の世界では、生死の海をもがき苦しみながら渡ってやっと到達できる悟りの世界のことを彼岸と考えます。逆に、迷いや煩悩に満ちた私たちが生きている現世界のことを此岸といいます。極楽浄土は、西方のはるか彼方にあるとされているため、太陽が真東から昇り真西に沈む春分や秋分に、西方に沈む太陽を向いて礼拝し極楽浄土に思いをはせたのが、彼岸の始まりといわれています。

日本では、806年に初めて彼岸会が行われたとされており、日本書紀には、崇道天皇のために諸国の国分寺の僧が命を受けて、七日間、金剛般若経を読みまわしたという記述がみられます。彼岸の時期が、種まきや収穫という五穀豊穣とも密接に結びついていることから、自然に対する感謝や祈りが先祖に対する気持ちにもつながって、独自の文化や風習を育んでいったと考えられます。

お彼岸にお墓参りする理由は?

日本では、仏教の「彼岸と此岸」の考え方が浸透したこと、日願という神道の太陽神崇拝の教えにも合致したことによって、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなる彼岸の時期に先祖供養をする習慣が定着したとされています。
彼岸にお墓参りをするのは日本独特の習慣であり、他の仏教国にみられるものではありません。彼岸の中日あたる春分の日が「自然をたたえ、生物をいつくしむ」、秋分の日が「祖先を敬い亡くなった人を偲ぶ」という意味合いを持つことにも、日本人らしさがよく表れていますね。自然と祖先の両方に感謝するという気持ちから始まったものといえるでしょう。

2017年のお彼岸は?

春分の日と秋分の日は年によって異なります。そのため、毎年2月の第一平日に国立天文台が発行する官報によって、翌年の春分の日と秋分の日、お彼岸の時期を知ることができます。

2017年の春彼岸は、彼岸の入りが3月17日(金)春分の日。彼岸の中日となるのが、3月20日(月)、彼岸明けが3月23日(木)となります。
秋彼岸は、彼岸の入りが9月20日(水)秋分の日。彼岸の中日となるのが、9月23日(土)、彼岸明けが9月26日(火)となります。

「暑さ寒さも彼岸まで」のことばで季節の移り変わりをイメージすることの多いお彼岸。その由来や意味、時期の決め方などの基本的な知識は、日本人として知っておきたいものです。意味や意義を知ると、お墓参りをする気持ちも少し変わってくるのではないでしょうか。

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