最近はフローリングの部屋に住んでいる人も多くなってきましたが、和室での歩き方などを知っておくと、いざというときに役立ちます。今回は、日本文化の象徴でもある和室について解説します。

踏んではいけない!畳の縁や敷居

和室に案内されたときに「このまま、入ってよいでしょうか?」と訊く方がいます。「どうぞ、スリッパをお脱ぎになってお入りください」と話すのですが、和室も洋間も同じように考える人が昨今ではとても多くなってきたようです。これは、和室のない家で生活している人が増えたことに関係しているのでしょう。昔の人にとっては当たり前だった和室の暮らしが、今は遠い存在になりつつあるのです。
和室が身近でなくなったことを表す話に、「最近は床の間に平気で荷物を置く人が多い」というものがあります。床の間はご先祖様を祭るところです。その証拠に床飾りは、仏壇の飾りと同じです。真ん中に香炉を置き、向かって右に燭台(蝋燭)、向かって左にお花を飾ります。そのため、ご先祖様を祭った部屋の畳の縁や敷居を踏むのは失礼なことにあたるのです。

踏んではいけない理由

和室では、座蒲団を踏まないように気をつけてください。お尻をのせるものですから、踏むくらいと思われるかも知れませんが、人の家のものを踏みつけることは失礼なことです。
和室では目線で人間関係を図ります。そのため挨拶をするときや、襖や障子を開け閉めするときは座って行いましょう。ちなみに、座蒲団に座っての挨拶はNGです。訪問する人が先に和室で待っている場合は、入ってすぐに畳に正座して挨拶をするようにします。
人を待つ場合は、勧められたら座蒲団に座って待ち、こちらに来たら座蒲団を外して挨拶をします。座蒲団に座ると目線が高くなりますから、いったん座蒲団から降りて自分を下にして挨拶をするのです。理由を覚えて行動すれば、美しく落ち着いた所作になります。

そのほか、踏んではいけない場所や理由について以下に詳しく解説します。

身を守る

和室では畳のヘリを踏まないようにしましょう。これは、戦国時代では床下に潜んでいる敵が、ヘリの部分から刀で切りつけるのを防ぐために踏まないようにしたとされています。

家を大切にする

畳は平安時代に貴族の間で使われるようになりました。そのときは、へりには藍染めなどで染められた絹や麻が用いられていました。しかし、植物で染めた布は色落ちしやすく、切れやすかったので踏むことはご法度とされたのです。
そのほか、貴族の格式を表す紋をあしらったへりもあります。へりを踏むことは、格式を踏みにじることにも通じるということで、畳は静かに歩き、決してへりは踏まないという文化が定着したのです。

空間様式を守る

敷居を踏んではいけないとされる理由は、家の造りにあります。敷居の両脇には柱があり、家は柱で支えているのです。敷居を踏むことが重なると、だんだん根太がゆるみ家が傾く原因になります。

家人の象徴

「敷居をまたぐ」「敷居が高い」というように、敷居はその家の象徴です。敷居を踏むことは、家や家人を踏みつけることと同じと考えます。
また、畳のへりも同様で家の格式を表します。畳の縁に家紋を入れることも多く、それを踏むことはご先祖様や家人の顔を踏むことにもなり失礼です。

正しい和室の歩き方は?

和室では「すり足」で歩きます。これは足音を立てず、和室に漂う静寂を乱さないためです。畳のへり、敷居を踏まないように気をつけながら、静かに歩きましょう。

最近では見かけることが少なくなってきた和室。少なくなってきた今だからこそ、和室でのマナーが際立ちます。しっかり覚えて、失礼のないように振る舞いたいものですね。

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