お正月に当たり前のように使う「あけましておめでとう」の挨拶。いつまでならこの挨拶を使うことができるのかなど、適切な時期や由来について知っていますか?

1月15日まで!

お正月の挨拶の決まり文句と言えば、「あけましておめでとう」ですよね。この挨拶は、無事に年を越すことができ、歳神様をお迎えできたことが非常にめでたいという気持ちを表すことに由来しています。
正月には門松や松飾りなどを準備しますが、これを外すのは年神様がいらっしゃらなくなるから、という理由だそう。正月の三ヶ日は、迷うことなくこの挨拶をできますが、4日以降は「あけましておめでとう」と言っていいのか戸惑ってしまうこともあるのではないでしょうか。

歳神様が家にいる間は「松の内」です。その考え方に基づくと、松の内の間は「あけましておめでとう」と言っても良いということになります。松の内がいつまでかということに大きく影響するのが、小正月という考え方です。
昔は、元旦を大正月と呼ぶとともに1月15日までの間を小正月と言っていました。小正月の間までは松の内ということになるため、1月15日までは、「あけましておめでとう」を使って良いということになります。ただし、関東と関西では松の内の期間に関する考え方が異なるため、地域性への配慮も必要となります。

例外はある‬‬

お正月に「あけましておめでとう」の挨拶が使える松の内の期間は、関東では1月7日まで、関西の一部では1月15日までとされています。また、例外として、関西の一部や群馬県、石川県の一部では、「二十日正月」と呼んで、1月20日までを正月としている地域もあります。

お正月休みが終わり職場に復帰すると、お得意様や取引先業者などに新年の挨拶をします。仕事始めの日となるのは、三ヶ日を過ぎた1月4日、関東地方の松の内明けに合わせた1月8日など、さまざまです。
昔の小正月である1月15日までであれば、「あけましておめでとうございます」と言えますが、松の内を過ぎた頃にお会いする方もいます。松の内を過ぎて挨拶をする場合は、「おめでとうございます」を言わずに、「旧年中は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。」と挨拶するのが無難でしょう。

新年あけましておめでとうは間違い?

お正月番組などで、番組の冒頭に「新年、あけましておめでとうございます。」と挨拶する場面があります。日常生活でもよく使っている方もいるのではないでしょうか。
新年は文字通り「新しい年」を指します。一方、「あけまして」は、一定の期間や状態が終わって、次の展開が始まることを意味します。つまり、梅雨明けということばと同じように、「あけまして」のことばだけで年明けを意味するのです。
昨年という古い一年の期間が終わって、次の展開が始まっている状態にあるので、「新年あけまして」では、明けたばかりの新しい年が明けたことになり、1年飛び越してしまうことになるのです。「頭痛が痛い」などと同様に重ねことばとなってしまうため、正式には使わない方が良いと言えます。

相手の身内に不幸がある場合は触れない

身内に不幸があった年は、喪中を知らせる葉書を出して、年賀状を出すのも受けるのも控える習慣があります。喪中は、喪に服す期間であり、おめでたいお祝い事をするのはタブーとされています。したがって、喪中に「あけましておめでとう」を用いることは原則としてありません。
新年の挨拶をしたい相手方の身内に不幸があって喪中となっている場合には、「おめでとう」ということばを避けて、「今年もよろしくお願いいたします」と挨拶するのが無難でしょう。

そもそも、喪中の相手を松の内の期間中に見舞うことを避ければ、挨拶の問題は起きません。年賀状の代わりに寒中見舞いを出すように、松の内が終わってから、寒中見舞いとして新年の挨拶をすると良いでしょう。

地方による違いに注意しよう

門松や松飾りなどお正月飾りは、歳神様をお招きするための準備として昔から伝わっているものです。歳神様が家から出て行かれるのに合わせて正月飾りを外すことになるのですが、この正月飾りを片付けるまでの期間を松の内と呼ぶことがあります。
古くから、小正月が1月15日までであったため、関西を中心に今でも1月15日までを松の内としている地域もあります。
一方、江戸時代に徳川幕府が、「松飾りを出す期間は大正月まで」というお触れを出したものの、それが関東地方以外にうまく伝わらなかったため、現在のように、関東地域の松の内が1月7日までとなったとされる説もあります。
同様に、鏡開きの時期は、一般的には1月11日、関西を中心とした一部の地域では1月15日までという慣習が残っているようです。

お正月の挨拶の定番ともいえる「あけましておめでとう」には、意味や由来があります。
「新年あけまして」ということばに重複があることを初めて知った方も多いのではないでしょうか。関東と関西で異なる松の内の期間の違いや喪中の挨拶で留意すべきことなどを理解して、日本の伝統的な文化や慣習を次世代へ語り継いでいくことが大切です。

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