一年中購入することができるお茶ですが、やはり最もおいしい旬の季節があります。一般的には総称して緑茶と呼ばれていますが、種類も豊富で香りや味も異なります。

お茶がもっとも美味しい季節は?

和食に合うだけでなく、ホッと一息つくのにもピッタリのお茶は、最近では、日本人だけでなく世界中の人々に愛されています。
いつ飲んでもおいしいお茶ですが、特に甘味や旨味が最も強い新茶の季節が一番おいしいといわれています。新茶の時期は、早い所では南九州で3月中頃から始まり、桜前線と同じように日本列島をだんだんと北上していきます。

「夏も近づく八十八夜」で始まる茶摘みの歌にあるように、もっともお茶がおいしい季節は、立春から数えて88日経った5月2日前後であるとされています。
冬の厳しい寒さのなか、たっぷりと栄養分を溜めこんだ最盛期の頃に摘まれるお茶は、体にもよい成分が豊富に含まれています。また、八十八夜に摘まれたお茶を飲むと、無病息災で1年を過ごせるとして縁起物としても好まれています。

玉露

高級なお茶の代名詞ともいわれているのが玉露です。20日間ほど太陽光を遮って新芽を育てるため渋みを抑えることができ、十分な旨味を持つお茶に仕上がります。
新芽が2〜3枚程度開き始めたら、すぐにヨシズやワラなどで茶園を覆って日光を遮ります。そうすることで渋みの原因となるカテキンの生成を抑え、渋みの少ないお茶ができるのです。ちなみに、20日間に満たない期間日光を遮って栽培したお茶は、「かぶせ茶」といいます。

玉露は、低温でじっくりと旨味を引き出しながら入れるのが一般的です。高級茶葉になるほどにお湯の温度は低くなり、50℃~60℃のお湯でじっくりと時間をかけながら浸出させます。濃厚な旨味ととろりとした口当たりで、少量ずつ味を楽しむことができます。

煎茶

煎茶は、摘んだばかりの新鮮な生茶葉を蒸したり炒ったりして作るお茶です。熱処理をし発酵を抑えて仕上げるお茶で、日本人にとって最もなじみ深いお茶と言えます。
酸化酵素の働きを利用して発酵を極力抑え熱処理することによって、葉の形状を整えて保存に耐えられる程度まで水分量を下げます。その後、荒茶を蒸したり揉んだりと、ごく一般的な製法で作る種類のお茶です。
ちなみに、茶葉の蒸し時間を2倍以上に長くしたものは、深蒸し煎茶と呼ばれています。茶葉の中心まで蒸気熱が伝わることにより、粉っぽくなるものの渋みや青臭みがなくなり、水に溶けない有効成分を摂取することができるのです。

番茶

番茶は「番外茶」ということばに由来しているといわれており、大きく4種類に分類されています。
一番茶の手摘みや若芽を摘み終わった後に遅れて出てきた芽を摘んだ「一番茶」。三番茶を摘み取らずそのまま成長して伸びた茶葉を秋になって摘み取ったもので、大量に生産されている「秋冬番茶」。茶葉の仕上げ工程で大きくて平たい葉を切断せずに取り出して製品にした「頭」。北海道や東北、北陸など、ほうじ茶のことを番茶と呼ぶというケースなどです。
茶葉を摘み取る時期や品質、地域の特性などから、日本茶の主流から外れているお茶を指して番茶と呼んでいます。

抹茶

茶の湯や茶器、和菓子などの日本古来の文化と深い関係のある抹茶は、「てん茶」を原料としています。
てん茶は、茶葉を揉まずにそのままの形で乾燥させたもの。玉露と同様に日光を遮って栽培した生葉から、茎や葉脈などを取り除いた細片です。このてん茶を石臼で挽いたものが抹茶となります。
古くは樹齢100年以上の古木から摘採した茶葉を使って濃茶を点てていました。近年では濃茶に適する品種があるため、肥培管理や被覆期間などによって良質なものが販売されるようになっています。
冷やし茶や抹茶ラテ、抹茶ロールや料理など、緑茶として楽しむ以外にもさまざまな用途で活用されています。

ほうじ茶

煎茶などを炒ったもので、独特な色と芳ばしい香りが特徴的なほうじ茶。煎茶に限らず、番茶や茎茶などをきつね色になるまで強火で炒り、芳ばしさを最大限に引き出してつくります。
煎茶や番茶の仕上げ工程で、形の大きい葉や茎を選別して混ぜ合わせたものも含まれているのがポイント。豊かな香りが出るまで、200℃程度の熱を加えた後、すぐに冷却します。炒ることによって茶葉に含まれるカフェインが昇華し、独特な芳ばしさやすっきりとした味わいを引き出すのです。

お茶には、カテキンやビタミンなどの栄養成分が豊富に含まれています。いくつもの種類があり、摘採される季節や栽培方法などによって、香りや味が変わります。特に、八十八夜の頃に摘み取られる新茶は、最も美味しいお茶として知られています。時期や種類を意識しながらお茶を飲んでみると、一層味わいを楽しむことができますよ。

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