おせち料理は日本の伝統的な料理であり、ひとつひとつの品目に意味があります。黒豆や栗きんとんなどの料理にどのような思いが込められているか調べてみました。

黒豆

黒豆は大豆の一種です。おせちの品目に入るようになったのは、江戸時代に高級料亭が正月向けの料理として作ったのが始まりです。漢字で「忠実」と書き、勤勉や健康、真面目や誠実の意味をもつとされています。
節分で豆まきをしますが、同様に豆には邪気払いの意味もあることも関係しているといえるでしょう。「マメに働く」ということばがあるように、元気に働くという意味も込められています。
また、豆は煮込むと外皮にシワができますが、シワができるまで長生きしたいという願望も込められています。現代では、関東風で表面にしわを寄せて仕上げられており、関西風では、ふっくらと柔らかくしわがないように艶やかに仕上げるようにしているようです。
つやのある黒豆を仕上げるためには、色を鮮やかに仕上げる目的で鉄鍋で煮たり、重曹を入れて煮たりすることがあります。

栗きんとん

栗きんとんは、昆布巻きや伊達巻などと同じようにおせちの口取りと呼ばれるもののひとつです。甘露煮にされた栗やさつまいもを和えたもので、ねっとりとした濃厚な粘り気と甘さ、そして黄金色に輝く色の鮮やかさが特徴となっています。
栗は昔から縁起のよい食材とされていました。「勝ち栗」ということばに代表されるように「何事にも勝つ」という意味をもつことから、幸先のいいものとされています。
また、見た目の黄金色から、金運を招いて財運をもたらす料理ともされており、商売繁盛や繁栄などをもたらしてくれる福を呼ぶ食べ物として重宝されているのです。金の布団を纏ったような食べ物という意味もあり、漢字では「栗金団」と書きます。
重箱に詰めるとひと際鮮やかな色が目立ち、とても豪華に見えることからもおせちには欠かせない料理とされています。

紅白かまぼこ

かまぼこは、白身魚のすりみを材料としています。昔は、とても貴重なものであったため、貴族でも一部しか口にできないものでした。また、生の魚よりも保存がきくため、海のない地域でも食べられる高級な海の幸として重宝されていました。白身魚の身だけをすりつぶしたものとでんぷんなどを練り合わせ、整形して加熱してつくられます。
紅白は昔からめでたさの象徴として、さまざまなお祝い事に飾りや食べ物として登場する色です。赤には魔除け、白には浄化の意味があるとされています。半円状に切った形が初日の出の形状に似ていることからも、1年を迎えるにふさわしい縁起のよい食べ物です。
重箱に詰める際には、古代中国の陰陽説を期限とする「右紅左白」という考え方から、右側に華やかな紅色のかまぼこを並べるのが一般的となっています。

昆布巻き

昆布は、昔から出汁を取るのにも重宝した和食には欠かせない食材です。昔は、お歳暮などの熨斗代わりにも使われていたことがあります。現在でも、正月の鏡飾りにも用いられることもある縁起ものです。
昆布巻きは、「喜ぶ(養老昆布)」と字をあてて、不老長寿を願うもの、「子生」の字をあてて子孫繁栄を願うもの、などの意味があります。また、昆布が末広がりの形状をしていることから「喜びを広める」という意味もあるとされています。
水でもどした昆布で鮭やニシン、たらこなどを巻いて、調味料を入れた水で煮るだけなので、調理は簡単です。ある程度火持ちもするため、おせちの品目としてもピッタリと言えるでしょう。

数の子

数の子はニシンの卵です。数えられないほどの小さな卵が詰まっているため、子どもがたくさん産まれて代々栄えるという子孫繁栄を意味する食材としておせちに使われています。
ニシンはアイヌ語で「かど」と呼ばれ、数の子は、古くは「かどのこ」といわれていました。貴重で価格も高く、黄色いダイヤと呼ばれていた時代もあったようです。
現代でも貴重であることには変わりありませんが、一年を通して塩漬けの状態で販売されていることがほとんどです。鮮度を維持するため、海水よりも高い塩分濃度の塩水に漬けられています。そのため、そのまま食べることはできず、薄い塩水で塩抜きをすることが必要です。

日本のお正月の定番料理、おせち。黒豆や栗きんとん、紅白かまぼこや昆布巻き、数の子などをつくるのが一般的です。それぞれの品目には幸せを願うさまざまな意味があることを理解して、ありがたくいただきたいものです。

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