日本独特の基本調味料は、「さしすせそ」と覚えられ、その順番で料理に使うことが基本。それぞれの特徴と使い方のコツを理解しておくことが大切です。

砂糖

和食の基本調味料を省略して覚えやすくした「さしすせそ」は、料理に使用する順番も示したものでもあります。
砂糖は中でも真っ先に入れるべきとされている調味料です。分子が大きく食材にしみこみにくいという理由や食材を柔らかくする効果があることなどから、早目に加えるのが望ましいとされています。
砂糖の歴史は古く、アレキサンダー大王の一行がサトウキビを発見したのがその起源とされています。砂糖には、含まれる蔗糖の量によって、上白糖、三温糖、グラニュー糖などの種類があります。例えば、サトウキビの搾り汁をそのまま煮詰めると黒砂糖に。豊富なミネラル分や濃厚な甘さ、独特の風味があることからお菓子などに使われることが多く、煮物にもおすすめです。和三盆糖は、サトウキビの糖液から糖蜜を分離してつくられるもので、高級和菓子の原料として珍重されています。

人の体には約0.7%の塩分が含まれています。基本調味料のひとつである塩は、人間が生命を維持するために1日1g程度の摂取が不可欠なものです。
古代ローマ時代には、役人や兵士の給料が塩で支払われたとされており、サラリーの語源ともなっています。日本では長い間、専売制度が敷かれていましたが、1997年に制度が廃止されたことによって、さまざまな種類の塩を手にすることができるようになりました。
浸透圧の関係から、塩が食材に浸透した状態ではそれよりも分子が大きい砂糖の味が入りにくくなるため、砂糖の後に入れるようにすることが基本となっています。
岩塩と海塩に大別されますが、ミネラル成分を豊富に含む岩塩は世界の塩の3分の2ほどです。日本は海に囲まれた島国であることから、海塩の文化が各地に古くからあり、現在でも昔ながらの製法で塩を精製しているところもあります。

強い殺菌作用があり、食材に付着している細菌などの働きを抑制するとともに、肉や魚の生臭さも消してくれる酢には、食材を柔らかくしてくれる効果もあります。
酢の歴史は古く、紀元前5000年頃の古代バビロニアで、ナツメヤシや干しブドウからつくられていたという記録が残っています。日本には4~5世紀に中国から伝わり、薬としても使用されたそうです。江戸時代に入ると寿司ブームが起こり、庶民の間に普及していきました。
国内では穀物酢や米酢が一般的ですが、そのほかにも果実酢や外国のバルサミコ酢、ワインビネガーなども有名です。料理全般に使用することができますが、加熱すると酸味が飛びやすいため、料理の仕上げ段階で入れるのがおすすめです。

しょうゆ

昔、しょうゆのことを「せうゆ」と書いていたことから、基本調味料「さしすせそ」の「せ」はしょうゆを指します。しょうゆは、食物を保存する目的で塩漬けしてつくられた「醤」がそのルーツであるといわれており、その後、調味料として進化したそうです。
室町時代には京都や堺などが主な産地となり、関西風の薄口しょうゆが主流になりました。江戸時代に入ると濃口醤油がつくられるようになり、庶民の間にも普及したようです。
日本の基本調味料の中でも最も世界から注目を浴びており、現在では世界100ヵ国以上の地域で販売されています。濃口や薄口のほか、溜まりや再仕込み、白醤油などもあり、大豆や小麦などを発酵させてつくられています。地域によって辛口、甘口の幅も広く、料理に合わせて選ぶことが大切です。

味噌

味噌は、味噌汁に入れる日本独自の基本調味料として欠かすことができないもので、穀物を発酵させてつくられたものです。麹の酵素の作用によって、旨味や色、香りが生まれるため、米、大豆、麦の原材料の違いだけでなく、麹の割合や熟成方法、熟成期間の違いによってさまざまな風味が生まれます。
赤味噌、白味噌、合わせ味噌などがあり、全国的には3割以上のシェアを誇る信州白味噌や独特のコクと旨味のある八丁味噌などが有名です。
味噌は基本調味料「さしすせそ」の最後になっています。煮詰めすぎると風味が飛んでしまい、苦みが出ることもあるためです。味噌汁を作る際も、具材に火を通したら火を止めて味噌を加えるなど、味噌の風味を壊さないように料理することが大切です。

世界文化遺産にも登録され、ますます世界から注目を集めている和食を支えているのが日本の基本調味料。砂糖、塩、酢、しょうゆ、味噌を表す「さしすせそ」の特徴や使い方の基本を知り、独特の風味や働きを損なうことがないよう上手に使いたいものです。

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