和食を支えるベース、出汁があってこそ食材の旨味やコクを最大限に引き出してくれます。醤油や味噌などの調味料を活かす出汁の種類や特徴について紹介します。

かつお出汁

和食の基本である出汁には、アミノ酸や核酸が豊富に含まれており、料理に旨味を与えてくれる大切なものです。
さまざまな種類があるなかでも古くから親しまれているのがかつお出汁。かつお節を削ったものからとりますが、生切りしたかつおを煮て、骨抜きをし、ばいかん、あん蒸という工程を経て仕上げられた荒節と、荒節にカビ付けを行い完成までに半年ほどかかる枯れ節があります。
一番出汁は、お吸い物やそばやうどんのつゆにピッタリです。また、濃厚な旨味成分が豊富な二番出汁は、鍋物や炊き込みご飯などにも合います。

昆布出汁

北海道産の利尻昆布、羅臼昆布など全て国産でとれる昆布からとる昆布出汁も日本人に欠かせない出汁です。グルタミン酸ナトリウムが旨味成分となり、おいしさを引き出してくれます。
水出しや煮出しで使用しますが、煮出す場合は、沸騰する前に取り出さないとぬめりが出ます。かつお節に含まれるイノシン酸と合わせることでよりおいしさが引き出されるため、合わせ出汁として使用されることも多いようです。味噌汁の他、和え物や鍋物によく合います。
深いコクと旨味が強い一番出汁は、お吸い物やうどんのつゆにもピッタリです。かつお節と一緒に使用する場合は、二番出汁を使うのがおすすめです。

煮干出汁

煮干出汁をとる魚にはさまざまな種類がありますが、最もなじみ深いものはいわしの煮干しでしょう。安価で手に入りやすく、使いやすさもあるため家庭料理には欠かせないものとなっています。
魚ならではのコクと甘みのある風味が特徴の出汁で、うるめ、かたくち、平子などのイワシがよく使用されています。かつお節よりも含まれるイノシン酸の量が多く、コクがあってまろやかな味わいであることも魅力です。頭やはらわたを除去すると苦みがありません。半日ほど水に浸せば水出しでも十分な出汁をとることができます。
コクがあるため、うどんやそばなどの麺類にもよく合います。また、出汁の旨みをよくしみ込ませる野菜の煮物にもおすすめです。

椎茸出汁

椎茸出汁は、その起源を室町時代にさかのぼるほど歴史の古いものです。大分や熊本、静岡などが有名な産地ですが、全国的に広く栽培されています。
出汁の原料には、肉厚で大きい「冬子」やよく開いた薄いかさが特徴の「香信」が多く使用されています。乾燥した状態の椎茸は、お湯で戻すと苦みがでるため水で3時間ほど戻すのがコツです。
三大旨味成分のひとつであるグアニル酸を含んでおり、加熱調理するとその量が増えます。グルタミン酸と合わせるとさらにおいしさを引き出すことができるため、昆布やかつおの出汁と合わせて、めんつゆとして使うとコクや甘さとともに椎茸の風味を感じることができます。

あご出汁

あごは、海面を飛び交うことで知られているトビウオのことで、あごが落ちるほどおいしいことからあご出汁と呼ばれているという説もあります。九州地方ではお雑煮やめんつゆなどにもよく使われているものです。
脂身が少ないあごは、深いコクがありながら上品な風味を味わうことができ、煮干しよりもさっぱりとして味わいを楽しむことができます。出汁の取り方も、頭は取らずに背中から身を開いて一晩水に浸し、翌日に加熱して沸騰させ、10分ほど煮出すという特徴のある方法となっています。
出汁がしっかりと出るので、味噌を少なめにした減塩味噌汁にもおすすめです。上品で魚臭さを感じにくいため、パスタなどの洋風料理にも使えます。

野菜出汁

本来は捨ててしまう、野菜のヘタや種、ワタなどを煮込んでつくる野菜出汁は、最近は、若い方に「べジブロス」として注目されています。野菜くずから簡単につくることができる出汁には、話題のファイトケミカルが豊富に含まれており、免疫力の向上や抗酸化作用が期待できることから、ヘルシーな出汁としてスープやリゾットなどに使用されています。タマネギの皮やヘタ人参の皮やヘタ、セロリの葉やカボチャの種やワタなど、毎日の料理で出る野菜クズをそのまま使っても構いませんが、一度乾燥させて使用するとさらに旨味や栄養成分がアップします。魚介類の出汁や和風味は苦手という方、ベジタリアンの方にもおすすめです。

世界に誇る和食を陰で支えてくれているもの、それが出汁です。味の前面で主張することはありませんが、食材や調味料の味を上手く引き出してくれます。それぞれの出汁の種類を知って、料理に合わせて使い分けて極上の和食をつくりましょう。

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