古くから伝統的な習慣が数多く残っている日本には、さまざまな趣旨でお祝いする日本の記念日があります。記念日に欠かせない食べ物の意味や由来を説明します。

元日(お正月)の食べ物とは

お正月は、数ある伝統的な日本の記念日のなかでも、新しい年を迎えるための特別なイベントとして知られています。
元日は、新しい歳神様を家にお迎えしておもてなしをする、昔の節日のお祝いに起源があり、年神様に捧げるためにつくるおせちが定番料理として現代にも受け継がれています。
おせちは、基本的に縁起をかつぎ、語呂合わせと楽しみながら、家族の安泰、繁栄や豊作、豊漁などを祈念した食べ物でもあります。子孫繁栄を意味する数の子やまめまめしく働けるようにという思いが込められた黒豆など、食材のひとつひとつに意味・由来があります。
また、元旦に食べる雑煮は、本来は歳神様にお供えしたものを下ろして、さまざまな物を混ぜて、一家の主人が煮たものが始まりとされています。三が日が過ぎて4日に棚おろしの日として、この日に初めて雑煮を食べるという習慣もあったそうです。

節分で欠かせないもの

節分は本来、季節を分ける節目の日に由来しており、1年に4回あったもののなかで立春が1年の始まりとして特に重んじられたため、春の節分を意味するものとなったものです。
立春の前日にあたる節分は、年によって期日が変わります。平安時代には節分が大晦日とされ、厄や災難を祓い清めるための行事が行われており、室町時代以降になると豆をまく行事へと発展しました。
節分に欠かせない豆は、鬼(魔)の目に投げつけて、魔を滅するものとして現在に受け継がれています。「魔目を射る」が豆を炒るにつながるため、鬼を封じ込めるためには、生の豆ではなく炒った豆でなければならないとされています。
また、比較的新しい節分の食べ物の習慣として恵方巻があります。その年の福徳を司る歳神様のいる方角を恵方として、その方向に向かって願い事をしながら無言で1本を丸かじりするというものです。
災厄を祓い、福を呼び込むために、現代の節分では、豆と恵方巻が欠かせないものとなっています。

子供の日で食べる物とは

童謡「背くらべ」には、5月5日の子どもの日に、ちまきを食べながら背くらべをした様子が描かれています。しかし、「ちまきではなく柏餅では?」と思う方もいらっしゃることでしょう。
実は、これには関東と関西の文化の違いが関係しています。関東では、子供の日の食べ物として柏餅がポピュラーなものとなっています。柏の葉は、古代より神様への供物を盛る器として使われていました。柏の木には、厳しい冬を乗り越え、新芽が出るまでは葉を落とさないという特徴があります。
このことから、子供が生まれるまで親は死なず、後継ぎが途絶えることがないと考えられるようになりました。子孫繁栄の意味・由来により、縁起のいい食べ物として、昔から端午の節句には柏餅が食べられていたのです。
一方、関西で食べられるちまきは、平安時代に中国から伝わってきたものです。中国ではちまきには、邪気や厄を祓う力があると信じられており、端午の節句もそのようなエピソードが元になって誕生したとさえいわれています。
日本では、茅(ちがや)の葉で餅米を包んでいたことから、「ちがやまき」と呼ばれ、時代が経つにつれてちまきになったとされています。

大晦日に食べるもの

大晦日は一年の最後を締めくくる大切な日本の記念日です。縁起のいい食べ物としてそばが有名で、年越しそばが習慣として定着しています。
年越しそばの意味・由来には諸説ありますが、そのひとつには、鎌倉時代に貧しくて年を越せない人にお寺がそば餅を振る舞ったところ、翌年の運勢が上昇したというエピソードもあります。
また、庶民の味としてそばがすっかり定着した江戸時代には、細くて長く伸びるそばに、健康長寿などの縁起をなぞらえて食べるようになったという説もあります。
日本の年末の風物詩ともなっている年越しそばは、大晦日の夕飯、除夜の鐘が鳴り続けている間など、食べるタイミングにはさまざまなものがありますが、明確な決まりはないものとされています。厄払いや新年の運気向上を願うのであれば、新しい年が明けるまでに食べるのが一般的となっているようです。

古くからの伝統を重んじる傾向がある我が国では、一年を通してさまざまな日本の記念日をお祝いします。記念日には、伝説や歴史、史実などによって、お祝いするための特別な食べ物がありますが、本来の意味・由来を理解して、ありがたくいただくことが大切です。

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