日本では、古くから吉兆を願ったり、縁起を担いだりするために、お祝いや節目の料理に縁起のいい食べ物を使用することがあります。その種類や意味について紹介します。

小豆

小豆は、お祝いの料理だけでなく、節目の料理にも使われる縁起のいい食べ物です。日本人であれば、赤飯やおはぎなどをすぐに思い浮かべることでしょう。
古代米としても知られている赤米は、神様への供物として使用されていましたが、その名残から白米に色付けするために小豆が代用されたのが始まりとする説もあります。
赤は、神様が好む色であるとともに邪気や災厄を祓う力があると信じられており、昔からさまざまな行事の食事に使用されていたようです。
小豆が縁起のいい食べ物とされている理由には、煮ても腹が割れない、荷崩れしないことから、江戸時代の武士も好んで食べ、高級な小豆は将軍にも献上されたといわれています。

れんこん

たくさんの穴が空いたれんこんは、ハスの地下茎が肥大したもので、中国やインドが原産とされているものです。野菜の一種でありながら、畑ではなく、泥沼のような蓮沼で栽培されています。
食用としているのは、日本、中国など、ごく限られた国々だけです。その穴を介して将来を見通すことができることから昔から縁起のいい食べ物といわれており、新しい年を見通すことができるようにと、正月のおせち料理にも欠かせないものとなっています。
れんこんは長い間、鑑賞用として親しまれていましたが、鎌倉時代の頃に中国から食用のれんこんが伝わったといわれています。複数の節を持つことから、人生の節目を無事に迎えるという意味もあるとされているようです。

結婚式、成人式、合格祝い、あらゆるお祝いの席に欠かすことができない尾頭つきの魚、それが鯛です。
「めでたい」の語呂合わせは誰もが知るところですが、それだけではありません。赤みを帯びた鯛の体の色は、邪気を祓う縁起のいい赤で、堂々とした姿は風格を漂わせるものでもあります。
古くから数ある魚のなかの王様として珍重されてきましたが、庶民にお祝いの食材として浸透したのは、江戸時代のことです。お祝い事があると、他の誰よりも大きいサイズの物を届けようと奔走したようです。威勢のよさと風格を演出するために、尾と頭を落とさず、そのままの姿で飾ったり、食事に提供したりするのが一般的となっています。
古くからお祝いの鯛に慣れている日本人は、御頭つきの鯛が食卓に上るだけで、慶事があることを悟ります。

昆布

昆布は、昔から出汁をとるためにも重宝された日本の食卓には欠かせないものです。
「ひろめ」「えびすめ」とも呼ばれており、七福神のえびすとの語呂合わせから福を広めるとして縁起のいい食べ物とされています。婚礼や祝い事の食材として古くから用いられていました。
昔は、贈答品を贈る際の、熨斗代わりに使用されていたこともあり、現在でも、正月飾りや結婚式の飾りとしてみることができます。繁殖力が旺盛な昆布は、子孫繁栄を象徴するものとされ、ニシンや鮭などを昆布で巻いて煮る昆布巻きは、おせち料理には欠かせないものといえるでしょう。
「喜ぶ」の語呂合わせだけでなく、「養老昆布」ととらえて、不老長寿の願いを託す料理としても知られています。

海老

海老は、「海の老人」を意味する当て字であるとされており、平安時代にはすでに使われていたといいます。
長く伸びた髭と曲がった腰から、「腰が曲がるまで元気に生きる」という長寿の願いが込められた縁起のいい食べ物とされています。鮮やかな真っ赤な色も、邪気を祓うとともにおめでたい席によく合います。
また、伊勢海老などの硬い殻は、昔の鎧兜に通じるところがあり、武士の世界では、鎧兜に身を固めた武将の姿に重ねて大切に扱うこともあったようです。
おせちでは、主役といっていいほど欠かせないものとなっていて、食べるだけでなく、正月飾りや鏡餅、えびす祭で販売される熊手などの華やかな飾りとしてもよく使われています。

日本には、お祝い事や吉兆を願う大切な人生の節目などで食べる料理に、昔から縁起のいい食べ物が数多く使用されています。たまには、見た目や味のよさだけでなく、食べ物に込められた意味を理解していただくのもいいのではないでしょうか。

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